12月5日 5時03分
来年、日本で初めて公開されるレオナルド・ダビンチの油絵「糸巻きの聖母」について、イギリスの美術館が行った赤外線調査の画像が公開され、現在の背景の下に複数の人物などが描かれていることが分かりました。
「糸巻きの聖母」は、16世紀初めにレオナルド・ダビンチが描いた油絵で、糸巻きを手にした幼いイエスとその姿を見守る聖母マリアが描かれています。
今回、イギリスのロンドン・ナショナル・ギャラリーなどのグループが行った赤外線調査の画像が公開されました。赤外線画像では、現在の背景の下に別の絵が複数確認でき、このうち聖母マリアの左側には数人の大人と歩行器に乗る赤ちゃんとみられる絵が描かれていることが分かりました。
「糸巻きの聖母」は、ダビンチの絵を元にした他の画家の作品も数多く残されていますが、この中には、歩行器が描かれているものがあることから研究者の間では当初、ダビンチの作品にも歩行器が描かれていたと考えられてきました。
この作品は完成まで何年もかかったとされていますが、グループによりますと、背景が描き直された時期は分からないということで、ダビンチ研究の第一人者でレオナルド・ダビンチ理想博物館のアレッサンドロ・ベッツォージ館長は、「絵の神聖さを強調するためにダビンチが試行錯誤したうえで塗りつぶしたのではないか」と話しています。
この作品はヨーロッパ以外では初めて、来年1月16日から東京・墨田区の「江戸東京博物館」で展示される予定です。
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